
私たちの人生には、いくつもの課題や、もともと持って生まれた能力があります。
それらを見つめるとき、私はときどき、その人の「過去世」を感じることがあります。
中には「日本人は次も日本人として生まれ変わる」と信じておられる方もいらっしゃいます。
でも、私が感じてきた限り、人は毎回同じ場所に生まれてくるわけではありません。
地球という学び舎の中で、さまざまな土地や文化を体験しながら、
少しずつ魂を磨いているように思うのです。
地球は、違いのある世界。
だからこそ、深く豊かな学びができる場所なのです。
私はよく、「魂の成長」をダイヤモンドにたとえてお話しします。
掘り出されたばかりのダイヤモンドの原石には、まだ輝きがありません。
けれど、ひとつ、またひとつと面(カット)が増えるたび、
光を反射して、まるで内側から輝くように美しく光り出します。
私たちの過去世も、このカットのようなものだと思うのです。
それぞれの人生の経験が魂を磨き、
次の光を放つためのひとつの面になっていく。
そんなふうに感じます。
魂の成長は、螺旋階段を登るようなものです。
上から見ると同じ場所を回っているように見えても、
横から見れば、ちゃんと一段ずつ上がっている。
ある時、マスターがこんな言葉をくれました。
「たとえどんなことがあっても、あなたたちは常に進み続けています。
そして“死”さえも、進化の途中なのです。」
かつての私は、「死んだら終わり」と思っていました。
けれど、これまで多くの旅立ちを見送る中で気づいたのです。
人がどんなに早く旅立っても、マスターはこう語りかけます。
「あなたは次にやることがあるから行くのです。
あなたは常に進んでいます。」
だから私は信じています。
たとえ今が苦しくても、悲しくても、
私たちは経験を通して、確かに一歩ずつ
螺旋階段を登りながら、魂を輝かせていっているのだと。