息子とマスターとの対話1

Q.息子 A.マスター

Q.今日は『自死』について伺います。このテーマについて、私はどうしても問いたいことが2つあります。
 1つ目は、どうして自死してしまうような環境を自分の意志で選んでくるのでしょうか?
 以前、私たちは予め人生設計のようなものを組み立てて、生まれてくると教えていただきました。
 ですが、これに沿って考えると、自死する人もその要因、環境を出来事を選んでいると解釈できます。
 これは正しいですか?もしそうならば、一体どうしてそのようなことをするのですか?

 2つ目は、前提として、自死はいけないことなのでしょうか?私たちが大変な苦悩をするの
 であれば、それはきっとそれぞれの課題から生じているものなのでしょう。
 そして、人生の課題という大きな壁に直面した時、そこから逃げ出したい。楽になりたい。
 と考えることは自然なことだと思うのです。そのうえで死を自ら決断することは、
 そんなにも悲しむべき悪行なのですか?

A.まずは1つ目の問いに答えましょう。あなたの解釈は違います。私たちは自死するような道を
 選んでくるのではありません。私たちはそれを回避することを選んでいるのです。
 ただ、自死することを選ぶことに何の意味があるのでしょう。もっと単純なことです。
 私たちは愛を表現するために生まれてきています。そして、その過程として、人生の課題を
 解決しているのです。
 私たちはここで、様々なものに囚われてしまった。
 本来、愛を持ち合わせていたはずなのに、愛を見失ってしまった。

 だから、課題の解決を通して、がんじがらめになっている紐を少しづつ、解いているのです。
 確かに、課題に向き合うことはあなたにとって、非常に険しい道のりです。
 耐え難い苦しみや、抑えの効かない感情があなたを支配しているでしょう。
 ですが、そこから本当に解放される道は、その課題を解決することしかありません。

Q.『課題の解決。』それはわかりますとも、ただ、それでも納得がいきません。
 なぜ、私たちのキャパシティを超えるような出来事が起きるのか。
 神は乗り越えられない試練は与えないと言います。
 あなたはこの主語が、私自身だと言っていますが、それなら、なおさら、しっかりと
 段階を踏ませてくれればいいではないですか。マスターならば、それを可能にする巧妙さは
 持ち合わせているはずでしょう。

A.そうですね。確かに、私たちは課題解決のために、これ以上ないほど精巧に設計図を
 描いてきています。ですが、必ずしも、その通りに行くわけではありません。
 私たちは決して、プログラム通りに動くわけではありませんから。
 『自由意志』が存在します。
 私たちは、日々、選択の中にいます。
 あなたの発する言葉、選んだ居住地や仕事、付き合いを持つ人々・・・。
 これらは、あなたの言う耐えられない試練に繋がっていることもあります。
 例えば、あなたはプライドが高く、承認欲求が強いという性質を持っていたとしましょう。
 そうすれば、承認欲求を満たすような、甘い誘惑に惑わされ、手厳しい助言には耳を貸さない
 といった、状況は容易に想像ができると思います。その先には、望んだ結果とは異なる
 ものが待っています。

Q.それすらも卓越した目線から事前に回避できるようにすればいいではないですか。

A.あなたはどうしても例外なく進ませたいようですね。その根本には、不条理や
 死への恐怖があるからなのでしょう。ですが、何度も言うように、私たちの目的は
 愛の表現にあります。
 危ない道を塗りつぶし、完全に組み込まれた人生を、単に歩むことが、
 愛の表現といえるでしょうか。
 私たちがこの世界で生を受け、その意志でもって愛を表現した時、初めて達成した
 のだと言えるのではないですか。

Q.それもそうだとおもいます・・・。ただ、まだ伺いたいことがあります。
 道を外したとして、それが自由意志によって生じることだと理解しました。
 ですが、その過程に、何か救いの手はないですか?修正すべきだと気づかせて
 くれるようなことはないですか?

A.あります。様々な出来事や、出会いによって、あなたに助言を授けることは起きているはずです。
 ただ、気づけないだけです。先に述べた、承認欲求の例も同じです。
 たとえ貴方を良い方向に変える助言であっても、あなたの心持ち一つでそれは無かったことに
 なってしまう。あなたに植えついてしまった、価値観が原因となっているのです。
 課題はもちろん、環境、教育、それらも大きく影響しています。
 例えば、あなたの課題が助長されるような環境にいるとより、悪化してしまうのでしょう。
 教育により、誤った考えを身に着けてしまうのも同様です。

Q.では、価値観を変えるには?

A.まずは気づくことです。何が、あなたの人生を邪魔してしまっているのか。それに気づくための術を、
 これからの対話を通して、理解してもらえたらいいと思います。
 その指針は、愛、そして幸せ、それらすべてに通じますから。

Q.・・・わかりました。それは是が非でも知りたいところです。
 では最後の質問です。そもそもの前提に立ち返りたいと思います。
 『自死』はいけないことなのでしょうか?

A.一言でいえば、好ましくありません。あなたが後悔するから。

息子とマスターとの対話2へつづく
 

Please share if you like it
  • URLをコピーしました!
目次