ずいぶん前のお話です。
母と娘の私はあることがきっかけで口論になりました。
私と母の場合は、私の幼少期のトラウマがあって、そこを刺激されると、
とめどなく感情があふれ出してきます。
普段はそんなことはないですが、トラウマを抱えていると、
ふとした瞬間、何気ない行動や言葉に、スイッチが入ってしまうことがあります。
私と母は、今でこそ言い争うことはなくなりましたが、以前はよく
しばらく口も利かなくなるなんてことがよくありました。
いつも、私が一方的に、心を閉ざしてしまいます。
トラウマは与えたほうは、覚えていなくても、
与えられた方はなかなか忘れることができないのです。
そんな時には、自分の傷に塩をぬられたかのように心の傷がうずきました。
だけど、好き好んで相手を傷つけたいなんて思わないので、感情をぶつけてしまった後で
後悔して自己嫌悪におちいるのです。
今なら、母に『私は傷ついているから、今はそれを聞けない。』と素直に言えるようになってきました。
傷ついた自分を認めることができたからだと思います。
まだ、私が傷ついた自分を認めていなかったときに、口論になって、自己嫌悪になったときにしたセッションです。
私『あることがきっかけで、母と口論になり、私はきつく言いすぎてしまいました。自己嫌悪になって苦しいので、
アドバイスをください。』
誘導『数を数える20.19.・・・・。足場が悪いと感じます。小さな石がたくさんごろごろしています。とげとげしている石』
マスター『その石の一つ一つに意識があります。この石の一つ一つは『ことばの石』です。
あなたが、今さっき投げた言葉の一つ一つです。』
私は、なんだかとても気分が悪い感じがしました。
この言葉の石にはとても不快な言葉が書かれています。
言葉の一つ一つが目に見える石として存在していたら、こんな感じなのか。
マスター『そこには言葉がたくさんありますね。
その言葉の石の一つ一つを投げた時に、その拡がりや、
そこから起きる振動が全部違います。言葉を選んでください。
同じことを伝えるにも、言葉を選んでください。
あなたが、選んだ石を、鏡に向かって投げているのと同じことです。
結局、あなたが選んだ言葉の石は、あなた自身に投げているのです。
だから、あなたが聞いて、どう感じるのか、あなたがその言葉の石を受け取ったら
どんな気持ちになるのかを考えながら言葉の石を投げてください。』
言葉は目に見えないものだし、簡単に口にしてしまいますが、
もしそれが、『ことばの石』として一つ一つが目に見える形で残されていくならば、
私たちはもっと言葉の一つ一つを大事に発するようになるのかもしれません。
ましてや、そこには、広がりや振動があるのだから。