顕在意識と潜在意識のねじれ

意識には深さがあって、表面で感じていることと、深いところで感じていることは違っていたりします。
頭で考えて思考している自分と、深いところで感じている自分が別々なのです。
それによってねじれが生じてしまうと、物事がうまくいかない、心身に支障が起きる。など
私自身体験しています。

私が鍼灸師をしていた時、ある原因不明の難聴の女性がいらっしゃいました。
大きな病院でもクリニックでも治すことができなくて、鍼灸ならどうかということでした。
数回治療をしてもやはり一向に改善しませんでした。
そんなあるとき、集中して患部に鍼を打っていると、彼女の心の叫びが私の頭に拡がりました。

『聞きたくない~。』という叫び声でした。そこで日頃何か聞きたくないことはないですか?と
尋ねました。彼女は少し考えてから、
『実は、夫の両親と同居しているのですが、義理の父が勝手なところがあって、毎日義理の母が
そのことで愚痴っているのです。そのことだと思います。』
その女性は、難聴になって何とか治そうといろいろ病院をめぐってはいましたが、
心の奥では聞きたくないと感じて長いこと生活してきていました。
自分で自分の耳を閉ざしてしまったのです。

私にも同じようなことがありました。
私の場合は、生理が止まりました。
当時の私は、夫の浮気が原因で生まれたばかりの子供を連れて離婚し、すぐに収入のために働かなくてはなりませんでした。
意識的に女性としての自分を否定して、男性的に生きようとしていました。

何年もそのような状態で、やっと婦人科を受診したときには、
医師からこっぴどく叱られました。どうしてもっと早く治療しなかったのかと。
その時には、私は家族の介護にすべての時間をかけていたので、かえって生理がないことが都合よかったのです。
そこからホルモン治療を開始しましたが、体に合わず結局治療をやめてしまいました。

それから数年後、催眠療法にであって、初めて自分の体と向き合い、その原因を潜在意識に聞くことができました。
『あなたは女性性を否定してしまっている。女性性にもいろいろあります。あなたは母性だけが女性性だと思っている。
愛すること、愛されることを許していない。』
確かに、当時は母性だけが自分の女性性だと思っていて、弱い存在を守ることが愛だと考えていました。

深いところで、そういう自分を理解して、愛し愛されることを許容した瞬間でした。
そこから、毎月順調に生理が来るようになったのです。
何年も止まっていたのに、そんなことを体験して、自分の心と向き合うことの大切さを知ることができました。

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